TOPメッセージ
全国の地域ビルダーと手を組み
日本の住宅産業における課題と
その解決を目指す
池田 雄一
当社グループは、戸建ての注文住宅をメインとした事業を展開しています。
日本で最も厳しい環境と言われる北海道での家づくりを基盤に事業活動を行っており、
北海道で得たノウハウをベースとして東北や北関東にも事業領域を拡大しています。
私は個人設計事務所、大手ハウスメーカー勤務を経て、2003年にロゴスホームを創業しました。
2021年に株式会社ロゴスホールディングスを設立し、現在のグループ会社は
株式会社ロゴスホーム、豊栄建設株式会社、株式会社GALLERY HOUSE、株式会社ROOTLINK、
LOGOS CREATIVE OFFICE PHILIPPINES INC. の5社です。
当社は、「日本の家づくりをつくる。」を経営理念としています。
住宅事業に関わる中で、日本の住宅の多くを建築している地場の工務店が、
「後継者不足」や事業の効率化ができないことによる「事業継続の困難」という課題を抱えていることを実感しました。
大手ハウスメーカーの商品は、スペックは高いものの非常に高価です。
地場の工務店は、これからも日本国民に住まいを提供するうえで、
重要な存在だと認識しています。
そのため、自分たちでこの問題が解決できないかと考えるようになりました。
原材料価格やエネルギーコストの上昇など国内の事業環境は変化し続けていますが、
地場の工務店は規模が小さいところが多く、度重なる環境変化へ単独で対応することにも限界があります。
住宅建築に関わる人たちの働き方や生産性の改善も含めて、工務店の経営を安定化させるため、
アライアンスを組んで一緒に困難を乗り越え 、共に成長を目指していきたいと考えています。
日本の住宅産業の構造的な課題を解決するために
今後の重点テーマは、大きく二つの側面で考えています。
日本において住宅産業に従事する人たちの環境を改善し、
若い人々が活躍できる場を作ること
現在進めている木造住宅のモジュール化が、この実現に貢献できます。
そもそも日本の住宅建築は現場作業が多く、気候変動の影響もあって過酷な状況にあり、働き手が少なくなっていることが大きな課題です。
モジュール住宅は、工場で住宅の型を作り、現場で組み立てるという仕組みであるため、労働環境の改善や、住宅の精度や品質の均一化、生産性の向上などに繋がり、日本の住宅建築業界における働き手不足という課題を解決することができると考えています。
今後、当社の考えに共感しアライアンスを組む各事業者もモジュール化を推進することで、住宅産業における現場の負担がより軽減されると考えています。
木造住宅の建築に
日本の木材を使うこと
日本では木造住宅の印象が好まれ、コスト面からも需要が大きく、国産木材が使われているイメージがありますが、現状では木材のほとんどを輸入に依存しています。
一方で、国内の林業は衰退を続けており、木材資源が活用されないばかりか、森林管理が問題になるなどの矛盾が生じています。
木材の輸入がシャットアウトされウッドショックや原価高騰が起こりましたが、日本国内の森林を適正管理することで、このような問題も一括して解決することができます。
北海道の森林はその最たる場所であり、当社も今後地元の材木を扱う企業との協働を進めていきます。
まずは足元の課題の解決から
大きな課題を解決するためには、今、各家庭で直面している課題の解決も重要です。
例えば、燃料の高騰は家計に直接打撃を与えており、生活の不便を招いています。
北海道では節約のため、せっかく設置した融雪槽の電源を切ったり、暖房は最小限にして厚着をしたりしているという話も聞きます。
このような状態では、健康面や安全面で人々の暮らしに悪い影響が出かねません。
家づくりの段階で、住宅の気密性を向上させたり、省エネ設備を導入したりすることで、
家計負担を軽減することもできるため、当社の設計力や提案力を活かして、貢献できることに取り組んでいきたいと考えています。
また、サステナビリティに関連する活動をさらに推進していくにあたり、このたびサステナビリティポリシー、5つの重要課題(マテリアリティ)およびそれに紐づくKPIや行動計画を策定しました。
省エネ住宅の提供や、テレワークを含む多様な従業員が働きやすい仕組みの導入など、行動計画に基づいて着々と取り組みを進め、大きな課題の解決に繋げてまいります。
将来に向けた取り組みと
コミットメント
大手ハウスメーカーは暮らしの充実を目指して最新の家電やIT機器を装備したり、
建築基準法を大幅に上回る強靭性を実現するための材料を用いたりすることが多く、自然とコストも高くなります。
しかしそれだけのスペックが果たして本当に必要なのでしょうか?
私が株式会社ロゴスホームを設立したのは、大手ハウスメーカーで働いていた頃自分が売っている家の性能や価格に自信が持てず、「大切な友人や身内に自信を持って勧めることができる家づくりをしたい」と思ったことがきっかけです。
大手ハウスメーカーのように全国どこでも画一的な家を建てるのではなく、
「地元の気候に合わせた高性能な家」を、「地元企業に勤める人が無理なく購入できる価格で」提供することにこだわりました。
実は、現在の日本の住宅の供給構造を振り返ってみますと、大手ハウスメーカーの占有率はごくわずかで、多くは地場の工務店に依存しています。
このような状況の中で当社グループは、地域の皆さんが求める適切なスペックかつ質の良い住宅を手が届く価格で提供することに加え、それらの住宅を建設する人たちの働きがいの実現を目指し、今後も従業員一丸となって取り組んでまいります。